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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 6.副腎皮質ホルモン系

6)デヒドロエピアンドロステロン(DHEA),DHEA-S

著者: 佐藤文三1

所属機関: 1日生病院第3内科

ページ範囲:P.134 - P.136

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandro-sterone;DHEA)は主に副腎から分泌されるステロイドであり,その硫酸基結合型がDHEA-sulfate(DHEA-S)である.副腎細胞は血中のLDLやHDLを受容体依存性に取り込み,これらのリポ蛋白に含まれているコレステロールをステロイド合成の基質としている.コレステロールは,下垂体からのACTH刺激により複雑な過程を経てプレグネノロンへ転換されていく.さらに17α-ヒドロキシラーゼの作用により17α-ヒドロキシプレグネノロンに,次に17,20リアーゼの作用によりDHEAに合成されていく.DHEAは副腎内でDHEA-Sにまで転換しうることが知られている.DHEAはアンドロステンジオンや11β-ヒドロキシアンドロステンジオンへも転換しうる.
 ここで注意をしておかなければならないのは,プレグネノロンはプロゲステロンへ代謝され,最終的にはコルチゾールやアルドステロンなどの重要なステロイドホルモンの基質にもなっていることである(図1).プレグネノロンからコルチゾールへの転換に関与する酵素(例えば21-ヒドロキシラーゼ)が欠損している患者では,コルチゾール産生が低下することによりACTHの分泌が亢進し,結果的にプレグネノロンからDHEAへの転換が著増することになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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