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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 6.副腎皮質ホルモン系

8)17α-ヒドロキシプロゲステロン

著者: 柴田幸信1 五十嵐良雄2

所属機関: 1社会保険浜松病院小児科 2浜松医科大学医学部小児科

ページ範囲:P.140 - P.142

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生合成・分泌・機能
 1.生合成・分泌
 副腎皮質における17α-ヒドロキシプロゲステロン(17α-hydroxyprogesterone;17α-OH-P)の生合成過程は,コレステロールからプレグネノロンが合成されることから始まる1,2).細胞中のミトコンドリアに取り込まれたコレステロールは,ミトコンドリア内膜に存在するコレステロール側鎖切断酵素によりC20,22の水酸化と20~22内の切断を受け,プレグネノロンとなる.この酵素はNADPHからの電子伝達系と共役したチトクロームP450であり,P450sccと呼称されている.チトクロームP450は生体における諸物質代謝に広く関係しているヘム蛋白の一群で,副腎皮質酵素反応のエネルギー供給系である2).コレステロールからプレグネノロンへの反応は3回の酸素添加反応(原子酸素添加反応)であり,最初の反応に律速される.コレステロールがP450sccに結合すると,プレグネノロンまでの反応は続いて起こる.
 合成されたプレグネノロンは拡散によってミトコンドリアから遊離し,ミクロソーム(endoplasmicreticulum)に移行する.そこで3β水酸基脱水素酵素と△4-5イソメラーゼ(この両者を3β-hydroxy ster-oid (or-ol) dehydrogenaseと呼んでいる)の双方の働きによりプロゲステロンとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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