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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 7.副腎髄質ホルモン系

1)カテコールアミン

著者: 中井利昭1

所属機関: 1筑波大学医学専門学群臨床医学系臨床病理学

ページ範囲:P.146 - P.147

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 カテコールアミン(catecholamine)の生合成の過程は,まず血中からアミノ酸であるチロジンがactive transportにより副腎髄質や交感神経のクロム親和性細胞内へ取り込まれ,チロジン水酸化酵素の働きでドーパとなる.生成されたドーパは,ドーパ脱炭酸酵素によりドーパミンとなる.ドーパミンはカテコールアミン貯蔵顆粒内に存在する酵素であるドーパミンβ水酸化酵素(DBH)によりノルアドレナリンとなる.交感神経終末端では,この段階までであるが,副腎髄質ではフェニルエタノラミン―N―メチル転移酵素(PNMT)により,ノルアドレナリンからアドレナリンへの転換が行われる.このPNMTは主として細胞質に存在するので,ノルアドレナリンはいったんカテコールアミン顆粒を出て,細胞質でN―メチル化を受けることになる.
 カテコールアミンの生合成は各生合成段階での基質,酵素,補酵素などの量的な変動によって変動するが,チロジン水酸化酵素が最も生合成を速度調節(律速)している.そのほかに神経機能による調節もみられる.すなわち,交感神経を切断すると,その生合成が抑制される.ホルモンによる調節もみられ,下垂体を摘除すると,PNMT,チロジン水酸化酵素,ドーパミン―β水酸化酵素活性が低下し,ACTH,グルココルチコイドを投与すると活性が回復する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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