icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 8.性腺ホルモン系

5) hCG, hCGサブユニット

著者: 玉舎輝彦1

所属機関: 1岐阜大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.178 - P.179

文献購入ページに移動
生合成・分泌・機能
 hCG(human chorionic gonadotropin;ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は妊娠中,栄養胚板(トロホブラスト)→絨毛膜有毛部→胎盤(妊娠第4か月で完成する)の胎盤形成過程において,絨毛のシンチチウム細胞で合成される.受精卵の2分割卵からhCGが局所で分泌されることが知られ,母体では妊娠8~10週が最高値を示す(尿中hCG値は50,000~500,000IU/l,血中β―hCG値で50,000~100,000mIU/ml).その後急減し,妊娠期間中変動せず,尿中hCG値は10,000~50,000IU/l (血中β-hCG値で4,000~30,000mIU/l)となる.
 この変化は以下に説明される.完全な型のhCGは絨毛のシンチチウム細胞で合成される.その下層にあるLanghans細胞はシンチチウム細胞へ分化するが,その過程である妊娠8~10週ごろはhCGの合成が盛んである.妊娠10週以後Langhans細胞の減少とともに,そのパラクリン的影響を受けていたシンチチウム細胞のhCG産生は低下する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?