icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 8.性腺ホルモン系

6)テストステロン,DHT

著者: 山中英寿1 湯浅久子1 小野芳啓1 福村幸仁2

所属機関: 1群馬大学医学部泌尿器科 2群馬大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.180 - P.181

文献購入ページに移動
生合成,分泌,機能
 1.生合成
 成人男子体内でのステロイド生合成は,一般的には酢酸(C2)→コレステロール(C27)→プレグネノロン(C21)→アンドロゲン(C19)→エストロゲン(Cl8)の順で生合成される.C19,ステロイドの最終生成物であるテストステロン(testosterone)の大量の生成は精巣のLeydig細胞においてなされる.Leydig細胞は前駆体細胞から分化するが,この分化過程は下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(luteinizing hormone; LH)と精巣内のパラクリン因子によって調節されている.Lyedig細胞においてはコレステロールからテストステロンまで生合成されるが,コレステロールからC21ステロイドであるプレグネノロンの生成はミトコンドリアで行われ,プグネノロンからテストステロンまでの生合成は主に滑面小胞体で行われる.ステロイド生合成にかかわっているステロイド代謝酵素は基質特異性が高く,明確な細胞内局在性があるために,Leydig細胞内におけるステロイド生合成の部位が異なる.Leydig細胞におけるステロイド生合成の経路として△4経路と△5経路の2経路がある.ラットおよびマウスではプロゲステロンを経てアンドロステンジオンを直接の前駆体としてテストステロンが生合成されるが(△4経路),ヒトでは△4経路のほかに,デヒドロエピアンドロステロンを経る△5経路が共存している(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?