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GTP結合蛋白の変異と内分泌腫瘍
著者: 野村文夫1 竹越一博1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系臨床病理学
ページ範囲:P.194 - P.194
文献購入ページに移動 情報伝達物質やホルモンの情報変換体として三量体GTP結合蛋白質(以下G蛋白質)は本誌でも述べられているように,そのαサブユニットの違いにより多くの種類があるが,成長ホルモン(GH)の分泌調節にも2つの相反する作用を持つG蛋白質が関与している.すなわち視床下部ホルモンであるGHRHによる分泌促進作用は促進性G蛋白質(Gs)を介し,ソマトスタチンによる抑制作用は抑制性G蛋白質(Gi)を介する.最近,GH分泌下垂体腺腫でGsのαサブユニット(Gsα)の変異が高率にみられることが報告され一種のoncogene (gsp oncogene)として注目されている.
G蛋白質の機能の修飾として最もよく知られているのはコレラ毒素によるGsαのADP―リボシル化であり,その結果,GsαのGTPase活性が阻害されてアデニレートシクラーゼが刺激され続け細胞内サイクリックAMP (cAMP)濃度が著増し,コレラ特有の下痢症状が引き起こされると考えられている.このような細胞内cAMP濃度の著明な上昇は,Gsαの点変異によっても生じる.
G蛋白質の機能の修飾として最もよく知られているのはコレラ毒素によるGsαのADP―リボシル化であり,その結果,GsαのGTPase活性が阻害されてアデニレートシクラーゼが刺激され続け細胞内サイクリックAMP (cAMP)濃度が著増し,コレラ特有の下痢症状が引き起こされると考えられている.このような細胞内cAMP濃度の著明な上昇は,Gsαの点変異によっても生じる.
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