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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 10.消化管ホルモン系

1) GRP, GIP,ガストリン

著者: 中田裕久1 千葉勉1

所属機関: 1神戸大学医学部老年医学講座

ページ範囲:P.195 - P.197

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 gastrin releasing peptide (GRP),gastric inhibi-tory polypeptide (GIP)およびガストリンは,いずれもペプチドホルモンであり,シグナルペプチドを含むプレプロGRP,プレプロGIPおよびプレプロガストリンとしてそれぞれの遺伝子のmRNAより細胞質で合成され粗面小胞体に入る.GRPではalternativesplicingによって3種のmRNAが存在し,C末端の構造が少し異なる3種のプレプロGRPが合成される.粗面小胞体においてシグナルエンドペプチダーゼによりシグナルペプチドが切断され,プロGRP,プロGIPおよびプロガストリンとなる.ゴルジ装置を経て分泌顆粒内に移行する間にC末端のアミド化を含むさまざまなプロセッシングを受け活性型のペプチドホルモンが完成する.
 活性型GRPは27または10アミノ酸,活性型GIPは42アミノ酸から構成される.ガストリンでは71アミノ酸から成るガストリン71(G71)をはじめとして,G52, G34(big gastrin),G17(little gastrin)が生成する.G17は血中へ分泌された後G14(mini gas-trin)およびG6に転換されると考えられている.血中ではG34が約2/3でG17が約1/3であるが,生理活性はGl7が最大である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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