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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 11.成長因子系

2) TGF

著者: 加藤淳二1 瀧本理修1 新津洋司郎1

所属機関: 1札幌医科大学第4内科

ページ範囲:P.213 - P.215

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 TGF(transforming growth factor)は,元来は正常線維芽細胞の形質転換にかかわる因子として定義づけられたが,現在では上皮細胞や間葉系細胞に対して増殖促進あるいは抑制といった細胞増殖制御機能を示す増殖因子群として認識されている.TGFには,上述した細胞に対して主に増殖促進に作用するTGF-αと,増殖抑制や線維化促進など多彩な作用を持つTGF-βがある.TGFは他の多くの増殖因子と同様に,種々の癌細胞で合成・分泌されることが知られ,オートクリンによって自身の増殖を促進したり(主にTGF-α),パラクリンによって周囲の細胞の増殖を制御(主にTGF-β)することにより自己の無限増殖を有利にしていると考えられている.最近,血漿中や尿中に腫瘍細胞由来のTGF-αやTGF-βが測定可能となり,新たな腫瘍マーカーや線維化の指標としての意義が注目されつつある1~3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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