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特集 ホルモンと生理活性物質 各論 12.循環調節液性因子系
2)エンドセリンファミリー
著者: 成瀬光栄1 成瀬清子1 出村博1
所属機関: 1東京女子医科大学第2内科
ページ範囲:P.233 - P.236
文献購入ページに移動1.生合成
エンドセリン(endothelin; ET)は21個のアミノ酸から成るペプチドホルモンで,分子内に2か所のS-S結合を有する.このS-S結合による環状構造とC末端部分がその生物活性の発現に重要である(図1).ETにはET-1, ET-2, ET-3の3種が存在し,ETファミリーと称する.これらのアミノ酸配列は環状部分で一部異なるが,直鎖部分は同じで,また,動物種差はきわめて少ない.これらETファミリーの遺伝子発現には組織特異性があり,ET-1は血管内皮細胞のほか,脳,腎髄質,肺に,ET-2は腎髄質,小腸,腎皮質に,ET-3は副腎,小腸に多い.ペプチド濃度からの検討結果ではET-1は下垂体,肺,脳,副腎に,ET-3は下垂体,脳に多い.この組織特異性は各ETの生埋的役割の相違を反映していると考えられ,本ペプチドの局所調節因子としての役割を示唆しているが,臨床検査としての観点からは主に血管内皮細胞から分泌され,血中の主要成分となるET-1が重要であるといえる.
ET-1はその遺伝子から転写,翻訳され212個のアミノ酸から成るプレプロET-1として合成され,次いで20個のシグナルペプチドが切断されてプロET-1となる.次いでLys-Arg, Arg-Argの2か所でプロセッシングされ,38残基のbig ET-1となる.
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