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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 15.その他

4) cAMP, cGMP

著者: 三国雅彦1

所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第3部

ページ範囲:P.268 - P.269

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生合成・分泌・機能
 cyclic adenosine monophosphate (cAMP)はアデニル酸シクラーゼによりATPから産生される.このアデニル酸シクラーゼ活性を促進的に調節するGTP結合調節蛋白質(Gs)と抑制的に調節するGiとが細胞膜の各種ホルモン受容体や神経伝達物質受容体と共役し,cAMP産生を調節している.さらに,cAMP産生はGTP結合調節蛋白質に共役するもう1つの細胞内情報伝達系であるイノシトールリン脂質代謝―カルシウムイオン動員系とのクロストークによっても調節されている.cAMPはホスホジエステラーゼにより分解され5′―AMPとなる.
 一方,cyclic guanosine monophosphate (cGMP)は細胞膜や細胞質内に存在するグアニル酸シクラーゼによりGTPから産生される.このグアニル酸シクラーゼは可溶性と膜結合性とに区別されるが,この細胞質内の可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化には,カルシウムイオン存在下でアルギニンのグアニジノ基から産生されるNOの関与が知られている.NOは放出され周囲の細胞に作用して,可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化してcGMPを産生する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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