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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 ホルモンと生理活性物質 各論 15.その他

9)メラトニン

著者: 府川悦士1 田中廣壽1 牧野勲1

所属機関: 1旭川医科大学内科学第2講座

ページ範囲:P.282 - P.284

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生合成・分泌・機能
 1.生合成
 メラトニン(melatonin)は主に松果体において産生されるホルモンであり,その生合成は外界の光刺激と中枢からの内因的リズムによって調節され,夜間に増加し,昼間に減少する,顕著な概日リズム(サーカディァンリズム)を有している.メラトニンは必須アミノ酸である1-トリプトファンから図1に示す4段階の酵素反応によって生合成される.すなわち,血中の1-トリプトファンが松果体細胞に取り込まれセロトニンに変換されたのちに,N-アセチル転移酵素(arylal-kylamine N-acetyltransferase; NAT)の作用のもとにN-アセチルセロトニンとなり,次いでヒドロキシインドール-O-メチル転移酵素(HIOMT)によってメラトニンが生合成される.
 メラトニンの生合成および分泌量はNAT活性に依存しており,その活性には概日リズムが認められ,夜間のNAT活性は昼間の50~100倍にも達し,光刺激により速やかに低下することが確認されている.鳥類および,それ以下の脊椎動物においては松果体のNAT活性は自律性を有しており,松果体の分離培養後もNAT活性は日内周期の変動を示し,光照射によりこのリズムが抑制されることが報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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