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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻12号

1994年11月発行

文献概要

資料

Helicobacter pylori検出のためのWarthin-Starry HE染色の意義

著者: 山口昌江1 広川満良1 清水道生1 真鍋俊明1 黒川幸徳2

所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部 2川崎医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.1339 - P.1342

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 Helicobacter pylori (H.pylori)の組織学的な検出法として推奨されているWarthin-Starry HE(WS-HE)染色の有用性を検討した.胃生検材料においてWS-HE染色を行い,胃粘膜上皮表面に陽性桿菌が確認された58例中35例に抗H.pylori抗体に陽性の桿菌がみられた.一方,抗H.pylori抗体を用いた免疫組織化学染色でH.pyloriを確認した37例中35例にWS-HE染色陽性桿菌がみられた.既知の細菌(18種類),真菌(8種類),原虫(1種類)にWS―HE染色を施すとMucorを除くすべてが陽性であった.このことから,WS-HE染色は非特異的な染色法であり,胃生検材料で組織学的にH.pyloriの検討を行う際は,WS-HE染色をスクリーニングとして用い,さらに同定するためには抗H.pylori抗体を用いた免疫組織化学染色を行うべきと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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