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学会だより 第31回補体シンポジウム
補体研究の最前線
著者: 松下操1
所属機関: 1福島県立医科大学生化学第2講座
ページ範囲:P.1370 - P.1370
文献購入ページに移動 第31回補体シンポジウムが,北海道大学薬学部,長沢滋治教授を集会長として,1994年8月23日~25日に札幌の北海道大学学術交流会館で約100名が参加して行われた.国内の補体研究者が毎年一堂に会するこのような学術集会はおそらく海外では例がなく,日本の補体研究のレベルの高さを物語っている.発表は,特別講演1題,教育講演2題,一般演題31題のほか,今回は今までの補体シンポジウムにはなかった初めての試みとして,ミニレビュー3題とミニシンポジウム"補体制御因子研究の新展開"4題であった.
今回の特徴として,補体制御因子に関する研究が多く発表された.補体反応は本来細菌などの生体への侵入異物に対して向けられる生体防御システムであり,自己の細胞に対しては攻撃できない仕組みになっている.この補体系の自己と非自己の識別機構に関しては詳細に解析がなされてきた.その結果,自己の細胞膜にはDAF, CR1, MCP, HRF 20などの補体制御因子蛋白があり,自己の細胞表面で補体反応が起こらないように制御していることが明らかになってきた.岡山大学のグループは今回,大腸腺腫および大腸癌組織における補体制御因子の発現の変化について検討を行い,DAFとHRF 20は大腸腺腫では発現の亢進がみられたが,大腸癌においてはDAFの発現の更なる充進がある一方,HRF 20の発現が減弱していることを報告した.
今回の特徴として,補体制御因子に関する研究が多く発表された.補体反応は本来細菌などの生体への侵入異物に対して向けられる生体防御システムであり,自己の細胞に対しては攻撃できない仕組みになっている.この補体系の自己と非自己の識別機構に関しては詳細に解析がなされてきた.その結果,自己の細胞膜にはDAF, CR1, MCP, HRF 20などの補体制御因子蛋白があり,自己の細胞表面で補体反応が起こらないように制御していることが明らかになってきた.岡山大学のグループは今回,大腸腺腫および大腸癌組織における補体制御因子の発現の変化について検討を行い,DAFとHRF 20は大腸腺腫では発現の亢進がみられたが,大腸癌においてはDAFの発現の更なる充進がある一方,HRF 20の発現が減弱していることを報告した.
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