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学会だより 第31回補体シンポジウム
補体研究の最前線
著者: 松下操1
所属機関: 1福島県立医科大学生化学第2講座
ページ範囲:P.1370 - P.1370
文献購入ページに移動今回の特徴として,補体制御因子に関する研究が多く発表された.補体反応は本来細菌などの生体への侵入異物に対して向けられる生体防御システムであり,自己の細胞に対しては攻撃できない仕組みになっている.この補体系の自己と非自己の識別機構に関しては詳細に解析がなされてきた.その結果,自己の細胞膜にはDAF, CR1, MCP, HRF 20などの補体制御因子蛋白があり,自己の細胞表面で補体反応が起こらないように制御していることが明らかになってきた.岡山大学のグループは今回,大腸腺腫および大腸癌組織における補体制御因子の発現の変化について検討を行い,DAFとHRF 20は大腸腺腫では発現の亢進がみられたが,大腸癌においてはDAFの発現の更なる充進がある一方,HRF 20の発現が減弱していることを報告した.
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