文献詳細
文献概要
今月の主題 敗血症 話題
劇症型A群レンサ球菌感染症
著者: 五十嵐英夫1
所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部細菌第二研究科
ページ範囲:P.1413 - P.1415
文献購入ページに移動 近年,わが国では,A群レンサ球菌を起因菌とする猩紅熱や二次性病変である急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの疾患の報告は著しく減少している.これらに対し,A群レンサ球菌による上気道感染症などは現在でも高頻度で発症がみられており,1992年後半から1993年前半にかけて全国的な流行がみられた.しかし,現在では比較的軽度であることやA群レンサ球菌は黄色ブドウ球菌と異なり耐性菌がほとんどなく,ペニシリン系の抗菌薬が奏功するので,取り扱いやすい疾患と考えられがちであった.
ところが1980年半ばごろから欧米で,壊死性筋膜炎,筋炎などの軟部組織の壊死を伴う"streptococcal toxic shock syndrome"や"toxic shock-like syndrome"と呼称される,病状の進行が非常に速く,早期に適切な対策を講じないと急速に死の転帰を取ることが多く,死亡率が約30%と言われている劇症型のA群レンサ球菌感染症が相次いで報告されるようになった.
ところが1980年半ばごろから欧米で,壊死性筋膜炎,筋炎などの軟部組織の壊死を伴う"streptococcal toxic shock syndrome"や"toxic shock-like syndrome"と呼称される,病状の進行が非常に速く,早期に適切な対策を講じないと急速に死の転帰を取ることが多く,死亡率が約30%と言われている劇症型のA群レンサ球菌感染症が相次いで報告されるようになった.
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