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Normal-sized ovary carcinoma syndrome

著者: 飯原久仁子1 山内直子1 坂本穆彦1

所属機関: 1東大医学部病理学教室

ページ範囲:P.1441 - P.1442

 正常大卵巣癌症候群(normal-sized ovary car-cinoma syndrome)は1989年にFeuerらによって提唱された1).腹腔内播種が著明であるが,卵巣の大きさは正常大で,卵巣表面はまったく正常かあるいは細顆粒上であるという症例を総称して名づけたものである.いずれにしても腹膜播種は著明であるので開腹時には最小限の手術に留めざるをえない場合がほとんどである.
 しかし実際にはこの中にいくつかの疾患が含まれており,原疾患によっては適当な治療法ができる場合もあり,症例によっては生存期間の延長が期待できることもある.すなわち,本症候群は,中皮腫,性腺外ミューラー管腫瘍,転移性腫瘍,卵巣癌などが含まれ,卵巣癌原発は本症候群の一部を構成するにすぎない.この4つの疾患以外のものが本症に含まれる可能性もあると思われるが,いずれにしても主なものはこの4種と考えてよいと思われる.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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