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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻13号

1994年12月発行

トピックス

唾液腺のpolymorphous low grade adenocarcinoma

著者: 出雲俊之1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.1442 - P.1444

文献概要

 唾液腺腫瘍は,多彩な組織像を呈することを特徴とする腫瘍で,これは腺房から導管までの各腺系上皮細胞に加えて,上皮―間葉の中間的性格を持つ筋上皮細胞が腫瘍を構成するためと考えられている.組織型によって発症部位や病態が大きく異なり,唾液腺腫瘍のWHO新分類(1991)1)では,予後や治療法の違いを反映した組織型分類とするために,旧分類のadenocarcinomaを9型に細分した.最も悪性度の低いpolymorphouslow grade adenocarcinoma (PLGA)から最も悪性度の高いsalivary duct carcinoma,そしてその他のadenocarcinomaである.表1に各悪性度を付記したWHO新分類を示す.各組織型の病態を理解したうえでの,より適切な治療法選択が望まれる.
 なお,旧分類が基本的には,大唾液腺腫瘍の分類であったのに対し,新分類では口腔粘膜のほぼ全域に分布する小唾液腺の腫瘍をも含めた組織型分類となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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