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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻13号

1994年12月発行

文献概要

資料

胃癌の潰瘍性病変におけるHelicobacter pylori

著者: 山口昌江1 広川満良1 清水道生1 真鍋俊明1 内田純一2

所属機関: 1川崎医科大学附属病院病理部 2川崎医科大学附属病院内科

ページ範囲:P.1461 - P.1463

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 Helicobacter pyloriは通常胃粘膜上皮表面に存在し,腸上皮化生細胞や胃癌細胞表面には存在しないと言われている.今回,筆者らは潰瘍を形成する42例の胃癌患者の胃生検組織標本を組織学的,免疫組織化学的に検討し,17例において壊死組織あるいは炎症性滲出物内にH.pyloriの存在を確認した.さらに,H.pyloriが潰瘍部にみられた17例中13例に他の細菌が,7例にCandidaが共存しており,日和見的な感染機序が考えられた.また,潰瘍部にH.pyloriを貪食した組織球を観察した事実は,潰瘍部における感染が局所免疫を促し,さらに,血清抗H.pylori抗体の上昇を引き起こす過程を説明しうるものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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