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若年女性に好発する膵SC腫瘍
著者: 諸星利男1 浜本鉄也1
所属機関: 1昭和大学第一病理学教室
ページ範囲:P.240 - P.241
文献購入ページに移動 膵SC腫瘍(solid cystic tumor of the pan-creas)はきわめて特異的な膵腫瘍で,近年臨床病理学的に注目されている.すなわち,一般的(通常型)膵癌は高齢男性に好発しきわめて悪性度が高いのに反し,SC腫瘍は,そのほとんどが若年女性に発症し,臨床症状に乏しく,予後はきわめて良好で,術後再発をみることはまずない.本腫瘍はKlöppel,Morohoshiらの報告を契機に広く認知されるに至ったが,超音波検査,X線CTなどの画像診断法の進歩普及に負うところが少なくない.
大部分(90%以上)は10歳代後半から30歳代の女性に発症し,高齢者や男性例は例外的である.無症候性に経過あるいは軽度の不定な腹部症状を訴え,偶発的に腹部腫瘤を自覚または他覚し,あるいは超音波検査,X線CTで発見される.画像診断的には大型の膵嚢胞性腫瘤(図1)でしばしば石灰化を伴う.血液生化学的に異常はなく,CA 19-9,CEAなど腫瘍マーカーの上昇も認めない.
大部分(90%以上)は10歳代後半から30歳代の女性に発症し,高齢者や男性例は例外的である.無症候性に経過あるいは軽度の不定な腹部症状を訴え,偶発的に腹部腫瘤を自覚または他覚し,あるいは超音波検査,X線CTで発見される.画像診断的には大型の膵嚢胞性腫瘤(図1)でしばしば石灰化を伴う.血液生化学的に異常はなく,CA 19-9,CEAなど腫瘍マーカーの上昇も認めない.
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