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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻2号

1994年02月発行

文献概要

トピックス

マスト細胞欠損マウス

著者: 大田健1

所属機関: 1帝京大学第二内科

ページ範囲:P.242 - P.243

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1.はじめに
 マスト細胞は,19世紀後半にEhrlichにより発見された細胞で,その細胞質は好塩基性の顆粒に富んでいる.マスト細胞が注目されるようになったのは,1966年石坂らにより免疫グロブリンE (IgE)が発見されてからである.すなわちマスト細胞は,表面に受容体を介して存在するIgE抗体が対応する抗原と結合すると種々の化学伝達物質を遊離し,即時型アレルギー反応を惹起するのである1)
 さらにマスト細胞は,IgEを介したアレルギー反応だけでなく,非特異的な刺激によっても化学伝達物質を遊離し,炎症反応にも関与することが明らかとなった.そして,最近ではマスト細胞がインターロイキン3(IL-3)をはじめとする複数のサイトカインを産生遊離することも報告され,その機能は多岐にわたることが予想されている2).マスト細胞の生体内における起源,分化,役割を明らかにするうえで,マスト細胞欠損マウスは,きわめて有用であり,多くの情報を提供してきた3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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