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今月の表紙 臨床細菌検査
非溶血性A群レンサ球菌
著者: 猪狩淳1
所属機関: 1順天堂大学医学部臨床病理学教室
ページ範囲:P.269 - P.270
文献購入ページに移動 レンサ球菌は,Brownにより血液寒天培地上の溶血態度によりα,β,γ溶血レンサ球菌と分類され,臨床材料から検出される溶血レンサ球菌は,Lancefieldの血清学的群別では,A,B,C,G群がある.このなかでもA群が最も頻度が高く,このA群のほとんどはβ溶血を示す.したがって,A群溶血レンサ球菌の検出は通常β溶血を指標として行われている.
レンサ球菌の溶血性は種々の条件で変化するため,基礎培地にトリプチケースソイ寒天培地,ハートインフュージョン寒天培地,血液寒天培地を用い,好気,炭酸ガス,嫌気の各培養および混釈培養が行われるのが一般的である.しかし,このような培地,培養条件でもβ溶血を示さないレンサ球菌は,血液や髄液から検出された場合以外は臨床細菌検査室では詳細な同定をせず,α,γ溶血レンサ球菌とするのが一般的である.特に咽頭粘液,喀疲が材料の場合,口腔内常在菌であるα,γ溶血レンサ球菌とβ溶血を示さない溶血レンサ球菌との区別が集落性状からだけでは困難であり,詳細な検索が省略されているのが現状である.したがって,非溶血性A群レンサ球菌による気道感染症のわが国の報告例は少ない.外国ではCaburnら1)(1941),Colebrookら2)(1942),Jamesら3)(1971)の報告がある.
レンサ球菌の溶血性は種々の条件で変化するため,基礎培地にトリプチケースソイ寒天培地,ハートインフュージョン寒天培地,血液寒天培地を用い,好気,炭酸ガス,嫌気の各培養および混釈培養が行われるのが一般的である.しかし,このような培地,培養条件でもβ溶血を示さないレンサ球菌は,血液や髄液から検出された場合以外は臨床細菌検査室では詳細な同定をせず,α,γ溶血レンサ球菌とするのが一般的である.特に咽頭粘液,喀疲が材料の場合,口腔内常在菌であるα,γ溶血レンサ球菌とβ溶血を示さない溶血レンサ球菌との区別が集落性状からだけでは困難であり,詳細な検索が省略されているのが現状である.したがって,非溶血性A群レンサ球菌による気道感染症のわが国の報告例は少ない.外国ではCaburnら1)(1941),Colebrookら2)(1942),Jamesら3)(1971)の報告がある.
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