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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻3号

1994年03月発行

文献概要

今月の主題 周術期の検査 耐術能検査

止血能検査

著者: 篠木信敏1 上林純一1

所属機関: 1大阪大学医学部第二外科教室

ページ範囲:P.296 - P.299

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1.はじめに
 出血は,外科の歴史が始まって以来,外科医を悩ませ続けており,手術に際しては止血機構の必要かつ十分な評価が必要である.止血機構は,血小板と血管壁が関与する一次止血機構,凝固反応が主役である二次止血機構,線溶系とさらにそれらの活性化を調節する制御系から構成される.この止血機構の生体内での役割は単に血栓の形成による失血の防止だけでなく,血液流動性の維持や組織修復など多くの重要な生体反応に関与している.生体にとって合目的な止血反応が破綻すると,出血異常,血栓症やそれに伴う臓器不全,創傷治癒の遅延などの重篤な病態が発症する.
 近年種々の新しい止血検査が開発されているが,もちろんそれらすべてが,術前検査として必要なわけではなく,不必要な検査は避けるべきである.以下に術前止血機構の評価法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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