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PNETは,primitive neuroepithelial tumours(胎児型神経上皮性腫瘍)とprimitive neuro-ectodermal tumours(胎児型神経外胚葉性腫瘍)の2つの呼称の略語である.いずれも神経細胞やグリア細胞への分化を有する未熟な細胞からなる腫瘍群を指すが,発生学的にみると両者は使い分けられるべきである.なぜならば,neuroepith-elialは発生初期の神経管を被覆する上皮細胞組織由来を指すが,neuroectodermalはそれに神経堤由来の要素も含む.それゆえ,PNETを構成する腫瘍細胞が末梢神経やメラニン細胞への分化を伴う場合には,後者でないと都合が悪い.一般に"neuroectodermal"は間葉成分を除いた中枢神経組織を指す言葉である.ちなみに,中枢神経系腫瘍のWHO新分類(1993)1)(表1)におけるPNETはneuroectodermalの略である.
また,PNETの診断名は当初,中枢神経系腫瘍に限定して用いられていたが,現在では末梢神経および軟部組織などに発生した,神経外胚葉由来と考えられている未熟な小円形細胞からなる腫瘍にも使用されている.むしろこちらのほうで,すでに確立された診断名として広く利用されているようにみえる.
また,PNETの診断名は当初,中枢神経系腫瘍に限定して用いられていたが,現在では末梢神経および軟部組織などに発生した,神経外胚葉由来と考えられている未熟な小円形細胞からなる腫瘍にも使用されている.むしろこちらのほうで,すでに確立された診断名として広く利用されているようにみえる.
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