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編集者への手紙
リポソームと蛍光指示薬HPTSを用いたリソソーム内pH測定の検討
著者: 庄野正行1 吉村哲朗1
所属機関: 1徳島大学医学部総合研究室形態班
ページ範囲:P.378 - P.379
文献購入ページに移動 従来からリソソーム内pHが酸性であることは,ほとんどのリソソーム酵素の至適pHが酸性にあることから推察されてきた.これは,以前には,リソソームにpH指示薬を取り込ませてその色調で確認されてきた.しかし,この方法ではリソソームへの蓄積度が低く,色調の変化が見にくいために,リソソーム内pHは3~6といった幅広い報告がされていた.
そこで感度が良く,かつ正確に生細胞のリソソーム内pHを測定する方法を開発する必要がある.今回,多数のpH蛍光色素の中からHPTS (8-hydroxy-1, 3, 6-pyrenetrisulfonate)を用いたのは,pHに依存して蛍光スペクトルが変化する数少ない物質の1つであり,しかもその範囲がpH4~8なのでリソソーム内pHの測定には最適であるからである1).pH変化に伴って蛍光強度が変化するHPTS溶液は,380 nmと450nmの蛍光強度の比により,pHの標準曲線が得られることは以前から知られている2).この理論を基礎にして検討した.
そこで感度が良く,かつ正確に生細胞のリソソーム内pHを測定する方法を開発する必要がある.今回,多数のpH蛍光色素の中からHPTS (8-hydroxy-1, 3, 6-pyrenetrisulfonate)を用いたのは,pHに依存して蛍光スペクトルが変化する数少ない物質の1つであり,しかもその範囲がpH4~8なのでリソソーム内pHの測定には最適であるからである1).pH変化に伴って蛍光強度が変化するHPTS溶液は,380 nmと450nmの蛍光強度の比により,pHの標準曲線が得られることは以前から知られている2).この理論を基礎にして検討した.
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