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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻4号

1994年04月発行

文献概要

今月の主題 好中球をめぐる検査 巻頭言

好中球への新たな興昧

著者: 池田康夫1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.399 - P.400

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 多能性造血幹細胞から各種血球への分化過程の研究は,いくつかのサイトカインの発見とともに新たな展開を見せている.血液学の基礎研究の成果はしばしば臨床に直結し,基礎医学と臨床医学が並行して進歩していくことが多い領域である.遺伝子や,遺伝子がコードする蛋白質,またはそれらが発現している細胞の構造と機能を解析する研究を行う際,最も基本となる技術は当然のことながらそれらの分離技術である.
 近年の細胞生物学の進歩をときに支え,新たな研究の展開を見せている血液学は,この細胞分離が比較的容易に行いうることを最大の武器にしている.血球について,例えば細胞膜糖蛋白の構造と機能,細胞内シグナル伝達機構,細胞機能発現のメカニズムなどの研究分野では,分離が容易でしかも多量に材料が入手できる白血球,血小板を用いて,ほかの細胞に先だって多くの研究成果が挙げられている.細胞の分化,成熟過程の分子機構も,骨髄幹細胞の同定分離が可能になり,培養技術の進歩と相まって急速に明らかになりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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