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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻6号

1994年06月発行

文献概要

今月の主題 前立腺と睾丸 話題

前立腺異型病変,腺癌関連病変

著者: 原田昌興1

所属機関: 1神奈川県立がんセンター臨床研究所研究第1科

ページ範囲:P.685 - P.687

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1.はじめに
 近年前立腺疾患は高齢化社会の到来とともに増加を示し,なかでも前立腺癌の死亡率はここ10年間で約2倍となり,その診断の重要性が増大している.最も重要な前立腺病変は,いわゆる前立腺肥大症と腺癌である.臨床的に肥大症と呼ばれる病変は,病理学的には前立腺組織構成要素である腺上皮および間質の増殖・増生に基づく良性結節性過形成と位置づけられる.肥大症の治療目的で切除された前立腺組織の日常的検索に際し,腺組織の増殖に関連して,しばしば組織構造ないし細胞異型が随伴して認められ,腺癌との鑑別が重要な課題となっている.この前立腺異型過形成には大別して2つの型がある.1つは前立腺末梢腺房組織の腺腫様増殖を示すatypical adenoma-tous hyperplasia1,2)で,もう一方は比較的大型の腺管に認められる管内性異型過形成(intraduc-tal dysplasia)3)である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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