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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻6号

1994年06月発行

文献概要

今月の主題 前立腺と睾丸 話題

潜在性前立腺癌

著者: 白石泰三1 加藤裕也1 今井裕1 矢谷隆一1

所属機関: 1三重大学医学部病理学第2教室

ページ範囲:P.689 - P.690

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1.定義
 前立腺においては臨床癌に至らない微小な癌の存在が古くから知られており,それらは潜伏癌,偶発癌,潜在癌などの名称で呼ばれてきた.WHO分類では非悪性腫瘍として摘除された前立腺の顕微鏡学的検索により発見された癌,すなわちStage A癌をincidental carcinomaと,死後の剖検により初めて発見された癌をlatent car-cinomaと定義している.ちなみに,occult car-cinomaとは転移巣による臨床症状がみられたため原発巣を探したが発見されず,その後に前立腺癌と判明した症例を指す.臨床的に前立腺癌と診断された癌はclinical carcinomaである.これらに対応する訳語は一定しておらず,若干の混乱があったが,「前立腺癌取扱い規約」ではinciden-tal carcinomaを偶発癌と,clinical carcinomaを臨床癌と訳し,latent carcinomaとoccult carcinomaに対してはそのままラテント癌およびオカルト癌とカタカナ表記している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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