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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻6号

1994年06月発行

文献概要

目でみる症例―検査結果から病態診断へ・18

May-Hegglin異常

著者: 土屋達行1

所属機関: 1駿河台日本大学病院臨床病理科

ページ範囲:P.705 - P.707

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●検査結果の判定●
 末梢血液像所見で,赤血球形態に異常はなかった.しかし,血小板は減少しており,大型の血小板が認められた(図1).この血小板の中にはリンパ球とほぼ同一の大きさを示す巨大」血小板も散見された.白血球分画では幼若細胞の出現もなく,百分率にも特に大きな変化は認められなかった.
 ところが,油浸レンズ(対物100倍)で観察すると好中球,好酸球,単球(図2~4),さらには好塩基球の細胞質まで直径2~3μmの青色の封入体が認められた.リンパ球にはこのような封入体は見られなかった.この封入体はデーレ小体(Döhle body)(図5)によく似ているが,大きさがやや大きいこと,そしてデーレ小体は細胞質の辺縁部に認められるのに対して,この症例では細胞質の中央部に認められることが異なっている.またデーレ小体は感染症などによる反応性の変化として,中毒穎粒(図6)とともに認められることが多いが,この症例では中毒穎粒も見られなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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