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今月の主題 可溶性膜糖蛋白 解説
IL-2受容体
著者: 戸叶嘉明1
所属機関: 1順天堂大学医学部内科膠原病学教室
ページ範囲:P.891 - P.896
文献購入ページに移動 可溶性IL-2受容体(sIL-2 R)は活性化あるいは腫瘍化したT細胞の細胞表面のIL-2受容体が培養上清あるいは血中に出現したものである.それゆえ,臨床的には血液悪性細胞(特にT細胞)や活性化T細胞のマーカーとして利用されている.血液悪性腫瘍ではATLなどのT細胞系悪性腫瘍のみならず,B-CLLなどのB細胞を悪性腫瘍や悪性リンパ腫でもsIL-2受容体の増加が報告されている.また,活性化T細胞の出現する自己免疫疾患では全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチなどの膠原病やインスリン依存性糖尿病(IDDM)などの臓器特異的自己免疫疾患でsIL-2受容体の増加が報告されている.さらに,移植後や感染症でもsIL-2受容体の増加が認められている.このように,sIL-2受容体は血液悪性腫瘍,自己免疫疾患を中心に,さまざまな疾患の新たな活動性のマーカーとして利用されつつある.〔臨床検査38:891-896,1994〕
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