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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻8号

1994年08月発行

文献概要

今月の主題 可溶性膜糖蛋白 話題

トロンボモジュリンによるDICの治療

著者: 小山高敏1 青木延雄2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第一内科,保健衛生学科 2東京医科歯科大学医学部第一内科

ページ範囲:P.933 - P.935

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 トロンボモジュリン(TM)は,血管内皮細胞上に存在する高親和性のトロンビン受容体で,プロテインCの活性化を促進する補酵素蛋白として発見された.トロンボモジュリンは,いわばトロンビンを凝固因子から抗凝固因子へ変える糖蛋白で,その活性抑制が血栓症発症の要因になるとして注目されている.また,トロンビンが血管内で生じる病態,例えば播種性血管内凝固症候群(DIC)や血栓症にトロンボモジュリン投与が臨床的に効果を示すことが考えられ,ヒトトロンボモジュリンの細胞外ドメインを表出する組換え型トロンボモジュリン(rTM)や尿中から分離した可溶性トロンボモジュリンが,新しい抗凝固薬として臨床治験の対象になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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