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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻8号

1994年08月発行

文献概要

今月の主題 可溶性膜糖蛋白 話題

細胞接着分子と癌転移および炎症の抑制

著者: 神奈木玲児1

所属機関: 1愛知県がんセンター研究所第二病理部

ページ範囲:P.937 - P.941

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1.セレクチンファミリーの細胞接着分子
 最近,セレクチンファミリーに属する細胞接着分子が注目を集めている.セレクチンファミリーの細胞接着分子はいずれも,相手側の細胞の糖鎖に結合することによって細胞接着を引き起こす.このファミリーには,E-セレクチン,P-セレクチン,L-セレクチンの3種類の分子が属する.
 E-セレクチンは別名をELAM-1(endothelial leukocyte adhesion molecule-1),CD 62 Eなどとも言い,血管内皮細胞がIL-1β,TNFαなどの炎症性サイトカインで刺激された際に合成され,4~6時間後に細胞表面に一過性に発現される細胞接着蛋白質である.炎症の際に局所周辺の血管に発現されリガンド糖鎖が陽性の白血球を接着して,白血球の炎症局所への遊走を介助するとされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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