icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻8号

1994年08月発行

文献概要

トピックス

デベソ核,きのこ核,モモ核,うめぼし核

著者: 高山明子1 大野英治1 蔵本博行2

所属機関: 1北里大学病院病理部 2北里大学産婦人科

ページ範囲:P.958 - P.959

文献購入ページに移動
 近年,わが国における乳癌は著しい増加傾向にあり,遠からず女性の癌の第1位になるものと予想されている.それゆえ,患者に対する侵襲が少なく,転移の危険性が皆無に等しい乳腺穿刺吸引細胞診は飛躍的に普及しつつあり,生検に代わる確定診断法として,期待されている.しかしながら,乳癌症例には,従来の一般的な悪性基準では癌と判定しにくい,小型で細胞異型に乏しい症例が少なからず存在し1~3),医療の現場ではしばしば判定に苦慮しているのが現状と思われる.
 そこで,乳腺穿刺吸引細胞診のさらなる精度向上を目的として,細胞診で陰性と誤診した乳癌症例を再検討したところ,核の形状に注目することが重要であると気づいた.その核の形状は大きく分けてデベソ・きのこ・モモ・うめぼし様の形を呈していた(図1,2).デベソ核とは核の一部が突出したもの,きのこ核とはきのこ様に核の両側がくびれているもの,モモ核とは核の一部に切れ込みを持つもの,うめぼし核とは核の辺縁にシワを持つものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?