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α1―ミクログロブリン―最近の進歩
著者: 伊藤喜久1
所属機関: 1自治医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.960 - P.961
文献購入ページに移動1.はじめに
α1―ミクログロブリンは,1975年,スウェーデンのEkströmらにより腎尿細管障害患者尿から単離された分子量約3万の低分子糖蛋白質である.ほぼ同時期にGrubbらにより正常尿からも新たに単離され,血中ではその半分がIgAと結合して存在することからhuman complex form-ing protein,heterogenous in charge (proteinHC)と命名された蛋白は,その後の一次構造の解析,物理化学的性状の一致からα1―ミクログロブリンと同一物質であることが判明しだ1,2).低分子型α1―ミクログロブリン/ブロテインHC (以下,研究の成果に応じて使い分ける)は,自由に拡散して血清,尿をはじめ広く種々の体液中に存在分布するのに対して,IgA結合型は比較的高分子であり血清のみに存在する.
α1―ミクログロブリンは,1975年,スウェーデンのEkströmらにより腎尿細管障害患者尿から単離された分子量約3万の低分子糖蛋白質である.ほぼ同時期にGrubbらにより正常尿からも新たに単離され,血中ではその半分がIgAと結合して存在することからhuman complex form-ing protein,heterogenous in charge (proteinHC)と命名された蛋白は,その後の一次構造の解析,物理化学的性状の一致からα1―ミクログロブリンと同一物質であることが判明しだ1,2).低分子型α1―ミクログロブリン/ブロテインHC (以下,研究の成果に応じて使い分ける)は,自由に拡散して血清,尿をはじめ広く種々の体液中に存在分布するのに対して,IgA結合型は比較的高分子であり血清のみに存在する.
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