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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻8号

1994年08月発行

文献概要

トピックス

DRPLAの分子遺伝学

著者: 池内健1 小出玲爾2 辻省次3

所属機関: 1富山県立中央病院神経内科 2信楽園病院 3新潟大学脳研究所神経内科

ページ範囲:P.961 - P.963

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 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral-pallidoluysian atrophy;DRPLA)は内藤・小柳病とも呼ばれ,わが国に多くみられる常染色体優性遺伝性を呈する神経疾患である.臨床症状は小脳失調,痴呆,けいれん,不随意運動,精神症状など非常に多彩であり,発症年齢により臨床型が異なることが知られていた.つまり,若年で発症した場合には進行性ミオクローヌスてんかんの臨床型を呈し,成人で発症した場合には失調,舞踏様運動,痴呆が主症状となる.
 最近,DRPLAの原因遺伝子か同定され,DRPLA患者ては第12番染色体短腕に存在する3塩基対(CAG)の繰り返しが過剰に増大していることが明らかにされた1,2).このような3塩基対反復配列の増大は,今までにない新しい遺伝子異常のモデルとして注目されており,現在までに表1に示した7疾患か同様の機転を原因としていることか判明している.今後も同様の遺伝子異常を有する遺伝性精神神経疾患がさらに見つかってくることは想像に難くない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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