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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻8号

1994年08月発行

文献概要

編集者への手紙

血液結晶法による結晶成長形態に与える疾患血液の影響

著者: 芝田高志15 田中朱美25 小暮美津子3 高桑雄一45 降矢熒4 小幡裕5 白坂龍曠15

所属機関: 1東京女子医科大学国際環境・熱帯医学教室 2東京女子医科大学神経精神医学教室 3東京女子医科大学眼科学教室 4東京女子医科大学生化学教室 5東京女子医科大学付属東洋医学研究所

ページ範囲:P.972 - P.973

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 微量の患者の血液を塩化銅(CuCl2・2H2O)水溶液に添加し結晶化させると,その塩化銅の多結晶体の成長形態が病気の種類によって異なることが古くから知られている(血液結晶化法)1~3).これは溶液からの結晶成長の系において不純物の添加が結晶の晶相に鋭敏に影響を与える性質を利用したものであり,反応条件により得られる情報が異なる.Selawryらは健常者では放射状の樹枝状の結晶が,僧帽弁奇形では8角形,糖尿病では凸レンズ状,子宮癌では凸レンズを二分した形態,肺結核では5角形の中に十字形が,癌では成長方向に垂直に交差した形態が観察されると報告している2.最近でもいくつかの報告があり,Barthらは硅肺の診断に有効であると報告している4
 このように生体情報を血液による結晶成長の形態変化に変換し抽出する試みはわが国では研究されていない.微量の血液で診断の可能性が示される本手法は患者の負担が少なく,臨床検査,臨床への応用が期待される.そこで本研究ではパイロットスタディとしてすでに報告されている疾病でこの現象の確認を試みるとともに,研究例のない老人性精神疾患や眼疾患を取り上げ,結晶化および分子分光的な測定を試みた5

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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