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今月の主題 糖鎖の異常 話題
糖鎖蛍光標識法
著者: 近藤昭宏1 宮村毅1 佐野睦1 加藤郁之進1
所属機関: 1宝酒造バイオ研究所
ページ範囲:P.89 - P.91
文献購入ページに移動複合糖質の生物活性・機能の解明が進むにつれ,糖鎖がその活性や機能の発現に重要な役割を果たしていることがわかってきた.医学領域においては,特に病気のマーカーとなりうる複合糖質の糖鎖構造(いわゆる糖鎖異常)について興味が持たれており,種々の病態と糖鎖異常の関係について精力的に研究されていることは,本号に紹介されているとおりである.
ここでたいせつなことは,研究に用いるためのサンプル(複合糖質)は患者各人から別々に採取し分析に供するため,微量しか得られないことが多く,構造の多様性(microheterogeneity)を持つことを特徴とする糖鎖の構造解析を行うためには,高感度で再現性の良い分析法が切望されている.しかし,糖分子はそれ自体高感度検出に利用できる標識を有しておらず,何らかの標識を導入しなければならない.このときの標識は,蛍光標識が最も優れていると思われる.理由は微量での検出が可能であることは当然であるが,扱いやすさや安全性に加えて高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による分離分析・分取が容易に行えるからである.
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