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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻12号

1995年11月発行

文献概要

今月の主題 腫瘍マーカー―最近の進歩 巻頭言

腫瘍マーカー―最近の話題

著者: 大倉久直1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院薬物療法部

ページ範囲:P.1235 - P.1236

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 癌の診断と治療の目印になる特異物質という意味での最初の腫瘍マーカーである,ベーンス・ジョーンズ蛋白が発見されてから130余年,今では腫瘍マーカーは癌の臨床に不可欠の検査である.中でもアルファ胎児蛋白(AFP)と,癌胎児性蛋白抗原(CEA)の2つは,世界中で広く利用されており,腫瘍マーカーの概念が成立するうえで決定的な役割を果たした.筆者は腫瘍マーカーを"癌細胞,または癌に反応した非癌細胞が作る物質で,それを体液,組織,排泄物中に検出することが,癌の存在,種類および量を知る目印となるもの"と定義してきたが,後にモノクローナル抗体の導入によって登場した糖鎖抗原やムチン抗原などの新しいマーカーも,すべてこの腫瘍マーカーの概念に含まれる.
 今日では多くの腫瘍マーカーに多種類の血清診断薬と自動測定機器が開発され,日常の臨床検査としてハイリスク患者の追跡,癌診断の補助,潜在性転移の推定,進行癌の治療モニター,予後と再発の予測などの日常診療に用いられているが,これらマーカーについては本誌をはじめ多くの専門誌に取り上げられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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