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今月の主題 腫瘍マーカー―最近の進歩 有望な新マーカー
ProGRP
著者: 山口建1
所属機関: 1国立がんセンター研究所細胞増殖因子研究部
ページ範囲:P.1244 - P.1252
文献購入ページに移動 肺小細胞癌の腫瘍マーカーProGRPは,従来の腫瘍マーカーとは異なるコンセプトに基づいて国立がんセンターを中心に開発されたものである.すなわち,肺小細胞癌細胞の細胞生物学的特性に基づき,その癌に特異性が高く,かつ血液中に積極的に放出される物質としてgastrin-releasing peptide (GRP,ガストリン放出ペプチド)を選択し,さらに,健常者との差異を増幅する目的で,GRP遺伝子産物の中で血液中で安定なGRP前駆体(ProGRP)のフラグメントであるProGRP (31-98)に着目し,これを遺伝子組み替え技術で合成し,測定系の開発に用いた.この結果,Pro-GRPは,正常値と異常値の差異が大きい点で信頼性が高く,肺小細胞癌の確定診断にも役立つほどきわめて特異性が高く,また比較的早期の病態でも陽性となるという特徴を有する新しい世代の腫瘍マーカーとして肺小細胞癌の臨床に役立とうとしている.〔臨床検査 39:1244-1252,1995〕
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