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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻12号

1995年11月発行

文献概要

今月の主題 腫瘍マーカー―最近の進歩 体液・分泌液の腫瘍マーカー

乳頭分泌液中CEA

著者: 稲治英生1 小山博記1 野口眞三郎1 元村和由1 土井啓2

所属機関: 1大阪府立成人病センター外科 2大阪府立成人病センター臨床検査科

ページ範囲:P.1267 - P.1271

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 乳頭分泌液中の癌胎児性抗原(CEA)測定法は体液中腫瘍マーカー測定による早期癌診断の数少ない成功例の1つであり,その普及には簡易キットの開発が大きく寄与した.本法による非触知乳癌(T0乳癌)の診断能は感度,特異性ともに70~80%と良好である.ただし,本法が威力を発揮するのは乳管内乳頭腫との鑑別においてであり,nonsurgically significant dis-charge (膿性,乳汁様,粘性)では偽陽性率が高い.また,分泌液中の測定マーカーとしてErbB-2を併用することによりさらに多くの情報が得られるようになった.本法により発見されるT0乳癌は乳癌のごく一部にすぎないが,腫瘍マーカー測定と早期癌診断という大きな隔たりを縮めたことにその真の意義がある.〔臨床検査 39:1267-1271,1995〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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