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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻13号

1995年12月発行

文献概要

海外レポート

中華人民共和国―北京熱帯医学研究所

著者: 甘紹伯1 薛燕洋1 閻岩2

所属機関: 1北京熱帯医学研究所 2東京医科歯科大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.1435 - P.1437

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■はじめに
 世界の総人口の半数,約25億人が何らかの寄生虫を保有し,1/3の人がそれらの寄生虫病に悩まされているという.世界の人口の1/4を占める中国でも,地域によっては,気象条件と生活習慣により,寄生虫感染をコントロールすることは,重要の課題になっている.中国で1992年の10万人の調査により,寄生虫感染率は約60%で,その中で特にマラリア,日本住血吸虫,包虫,嚢虫,肺吸虫,肝吸虫の感染はかなり問題になっている.これらの寄生虫撲滅のための研究活動の中心的な役割を果たしているのが北京熱帯医学研究所である.
 北京熱帯医学研究所は,1951年鈡恵瀾教授(中国熱帯医学創始者の一人である有名な医学専門家)により開設され,1979年には,当時の熱帯医学研究室から発展的に北京熱帯医学研究所に昇格した.現在は北京の中心天安門広場から南へ2kmぐらいの,北京友誼病院の敷地内にある.しかし,当研究所は病院とは独立した組織である.1980年は世界保健機構(WHO)により,WHOの肝吸虫,肺吸虫,リーシュマニアの共同研究センターに指定された.中華医学会熱帯病の事務局が研究所内に設立されており,熱帯病の講習会を主催している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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