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コーヒーブレイク
銀座
著者: 屋形稔1
所属機関: 1東新潟病院
ページ範囲:P.200 - P.200
文献購入ページに移動 この夏の厳しさは格別であった.元来暑さには強い方で夏は嫌いではないが,30度台が何日も続いたのにはいささかうんざりした.新潟でもそんなだから東京の街路を歩くとやけつくようであった.そんな東京でも月に4~5回せっせと新幹線で運ばれて行くのは,昔から東京の街が好きだからである.子供の頃も東北の田舎から上京するのが楽しみで,母や兄達に連れられて銀座をキョロキョロしながら胸を弾ませて歩いた.戦中に中学から高専へ進む時新潟と東京の双方に合格したが,さすがに大戦たけなわであったので新潟へ行ったのが今でも満たされぬ思いとして胸の底にくすぶっているのかもしれない.
近ごろは身につけるものなども,どこでもいいのに銀座界隈で需めることが多い.洋服は銀座三越の近くの英国屋が気に入っているが,先方も特選会などの催しの時は必ず招いてくれるので大抵のぞいて来ることにしている.銀座百店会で発行している"銀店百店"という小型のPR誌を読むと,下手な週刊誌そっちのけの面白さで,内容が豊かで銀座の雰囲気もよく出ており編集も行き届いている.常連の平岩弓枝さんが最近号に"夏の終わり"という冴えたエッセイを寄せていた.
近ごろは身につけるものなども,どこでもいいのに銀座界隈で需めることが多い.洋服は銀座三越の近くの英国屋が気に入っているが,先方も特選会などの催しの時は必ず招いてくれるので大抵のぞいて来ることにしている.銀座百店会で発行している"銀店百店"という小型のPR誌を読むと,下手な週刊誌そっちのけの面白さで,内容が豊かで銀座の雰囲気もよく出ており編集も行き届いている.常連の平岩弓枝さんが最近号に"夏の終わり"という冴えたエッセイを寄せていた.
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