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肝細胞癌の分子生物学的診断
著者: 相澤良夫1 戸田剛太郎1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学第一内科
ページ範囲:P.229 - P.230
文献購入ページに移動1.はじめに
わが国では肝細胞癌患者が年々増加し,その約3/4がC型肝炎ウイルス(HCV)に,残りのほとんどがB型肝炎ウイルス(HBV)に起因するとされている.近年,肝細胞癌の高危険群(ウイルス性肝硬変および進行したウイルス性慢性肝炎患者)に対し,AFPの測定と画像診断が定期的に行われ,小肝細胞癌が早期に発見されるようになった.
肝細胞癌の早期診断は,前述の腫瘍マーカー測定と画像診断により効率的に行われており,分子生物学的手法は応用されていない.肝細胞癌の分子生物学的診断は,癌の発生が単中心性が多中心性発生かの鑑別や,癌発生メカニズムの解明,癌の進展度,悪性度の判定などに応用されている.また,癌の遠隔転移の診断法として,末梢血中の腫瘍細胞を高感度に検出する方法も開発されている.以下にこれらの分子生物学的診断法について概説する.
わが国では肝細胞癌患者が年々増加し,その約3/4がC型肝炎ウイルス(HCV)に,残りのほとんどがB型肝炎ウイルス(HBV)に起因するとされている.近年,肝細胞癌の高危険群(ウイルス性肝硬変および進行したウイルス性慢性肝炎患者)に対し,AFPの測定と画像診断が定期的に行われ,小肝細胞癌が早期に発見されるようになった.
肝細胞癌の早期診断は,前述の腫瘍マーカー測定と画像診断により効率的に行われており,分子生物学的手法は応用されていない.肝細胞癌の分子生物学的診断は,癌の発生が単中心性が多中心性発生かの鑑別や,癌発生メカニズムの解明,癌の進展度,悪性度の判定などに応用されている.また,癌の遠隔転移の診断法として,末梢血中の腫瘍細胞を高感度に検出する方法も開発されている.以下にこれらの分子生物学的診断法について概説する.
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