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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻4号

1995年04月発行

文献概要

今月の表紙 臨床細菌検査

Vibrio cholerae

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順天堂大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.378 - P.379

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 コレラ菌は種Vibrio choleraeのうちO1抗原を持つものに限られている.O1血清型以外(O2~O138)は非O1型コレラ菌(non-O1グループ),いわゆるNAGビブリオと一括され,コレラ菌とは明確に区別して扱われる.ただし,非O1型コレラ菌群も,O抗原の違いだけで,形態,生理・生化学的性状の点ではコレラ菌(V. cholerae O1)とまったく異なるところがない(図1, 2)1)
 ともにグラム陰性,通性嫌気性,芽胞を持たない桿菌で,菌体は通常コンマ状に彎曲している(ビブリオ・コンマ:V. commaと呼ばれたこともある).単極性の鞭毛を持ち,活発に運動する(図3, 4).発育至適温度は37℃前後,発育至適pHは7.6~9.0で,アルカリ性側でよく発育する.普通寒天培地など一般の培地で発育する.選択培地には,TCBC寒天培地,ビブリオ寒天培地などが用いられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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