文献詳細
文献概要
今月の主題 薬物検査 話題
GST-π
著者: 高山哲治1 高橋康雄1 新津洋司郎1
所属機関: 1札幌医科大学内科学第四講座
ページ範囲:P.450 - P.453
文献購入ページに移動1.はじめに
Glutathione S-transferases (GSTs)ファミリーは,細胞の中に豊富に存在するGlutathioneを利用し,生体外,あるいは生体内で生じた毒性物質を中和する酵素である.これまで,少なくとも4種類のα,μ,π,θなどと呼ばれるアイソザイムグループが同定されている.一方,GST-πは,癌組織でしばしば正常な組織に比べて発現が高まっていることもよく知られているところである.また最近では,癌組織における抗癌剤耐性の獲得にきわめて重要な意義を持っていることも明らかにされつつある.そこで本稿では,GST-πの癌細胞における発現の増強,抗癌剤耐性への関与,およびGST-πを標的とした耐性克服の試みについて最近の知見を述べてみたい.
Glutathione S-transferases (GSTs)ファミリーは,細胞の中に豊富に存在するGlutathioneを利用し,生体外,あるいは生体内で生じた毒性物質を中和する酵素である.これまで,少なくとも4種類のα,μ,π,θなどと呼ばれるアイソザイムグループが同定されている.一方,GST-πは,癌組織でしばしば正常な組織に比べて発現が高まっていることもよく知られているところである.また最近では,癌組織における抗癌剤耐性の獲得にきわめて重要な意義を持っていることも明らかにされつつある.そこで本稿では,GST-πの癌細胞における発現の増強,抗癌剤耐性への関与,およびGST-πを標的とした耐性克服の試みについて最近の知見を述べてみたい.
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