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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻4号

1995年04月発行

文献概要

研究

軟部組織内細菌における染色前処理法の意義

著者: 榊原英一1 来海節夫1 千田澄江1 明壁均1 高木規夫2 稲垣宏3

所属機関: 1常滑市民病院検査科 2常滑市民病院内科 3名古屋市立大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.489 - P.493

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 軟部組織の壊死を伴う細菌感染症6例の軟部組織標本に水酸化ナトリウム・アルコール溶液処理後,ヘマトキシリン・エオジン,細菌検査用グラム,ギムザ染色などの一般的な染色を行い,組織内細菌を観察した.処理前の標本には色素顆粒が多く,処理後では色素顆粒が消失した.処理後のグラム染色とギムザ染色の両標本で全例の細菌が確認できた.激症型A群溶レン菌感染症とVibrio vulnificus感染症において,組織内細菌は炎症細胞を伴わずにそれらの特徴的形態所見を示した.この研究で使用した技法および得られた成績は,病理検査における組織内細菌の確認に,また細胞診や細菌検査による細菌感染症の迅速診断に貢献するであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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