文献詳細
今月の主題 定量検査のQM―精度向上への道筋
外部精度アセスメント(EQA) 調査試料の問題点
文献概要
尿検査は最も基本的な臨床検査で,しかも代表的な非侵襲検査であり実施頻度は高い.しかし,尿は変質しやすく,測定値の示す幅も陰性から強陽性までと広く,さらに服用薬物による偽陽性・偽陰性がみられるなど,検体としてもともと多くの問題点を有している.EQA調査試料の目的成分についても同様のことが言えるが,ただ細菌増殖によるpHの変化がないことと,有形成分を除外してあることが異なっている.蛋白添加物質については,ヒトアルブミンか,ヒト血清か,ウシアルブミンか議論のあるところであるが,検査の精度・正確度のみに的を絞ることなく,臨床的意義を踏まえたうえで解決される必要があろう.〔臨床検査39:543-546,1995〕
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