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リンパ腫関連血球貧食症候群

著者: 中鉢明彦1

所属機関: 1湖東総合病院内科

ページ範囲:P.594 - P.595

1.はじめに
 Hemophagocytic syndrome (HPS;血球貪食症候群)は骨髄,肝脾,リンパ節における血球貪食マクロファージの増殖を病態の主座とし発熱,汎血球減少,肝障害,凝固障害などの多彩な症状を呈する臨床病理学的疾患単位である.歴史的には,単球/マクロファージ系細胞の腫瘍性疾患としてのhistiocytic medullary reticulosis/malig-nant histiocytosis (MH;悪性組織球症)が雛形として記載され,ウイルス感染,細菌感染に伴って反応性に起こってくるinfection-associatedhemophagocytic syndrome (IAHS)が類縁の非腫瘍性疾患として論じられてきた.しかし,MHとして報告された症例を免疫組織化学的に再検討したところ多くが非Hodgkinリンパ腫であったという報告が相次ぎ,MHの疾患概念は根底から揺らいできている.一方,virus-associatedhemophagocytic syndrome(VAHS)においても分子生物学的方法によりEBウイルス(EBV)感染Tリンパ球の少数クローンの存在が証明され,MHとVAHSとの境界は不明瞭となってきている.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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