icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻6号

1995年06月発行

文献概要

今月の主題 抗体蛋白 技術解説

病原体IgM抗体

著者: 岩沢篤郎1 中村良子1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院臨床病理科

ページ範囲:P.679 - P.684

文献購入ページに移動
 IgM抗体は,感染症の急性期に検出される臨床診断上重要な抗体である.肝炎マーカーのうち,抗HA―IgM抗体および抗HBc-IgM抗体は,感染初期に一過性に出現する抗体であるため,急性A型およびB型肝炎のワンポイント診断に用いられている.また,風疹,サイトメガロウイルス(CMV),クラミジアなどの感染症におけるIgM抗体の解釈には慎重を要する.IgM抗体陽性は,一般的には初感染を意味するが,ヘルペスウイルスによる感染症においては,再活性化(reactivation)の場合にも検出されることがある.感染症検査すなわち,抗原検出,抗体価測定,DNA検査の中から最適な検査法を,個々の症例において判断選択し,他の検査成績と合わせて迅速に対応する必要がある.IgM抗体測定は,迅速診断に有用であり,自動化が進められている.〔臨床検査39:679-684,1995〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?