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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻6号

1995年06月発行

文献概要

海外レポート

ボリビア共和国―医療事情・検査室を中心に(1)

著者: 宇都宮明剛1

所属機関: 1長崎大学熱帯医学研究所病原体解析部門・病原因子機能解析分野

ページ範囲:P.710 - P.712

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■はじめに
 南米ボリビア,地球の裏側,南米大陸の中西部,南緯10~23度,西経58~70度に位置する.パラグアイと同様に海のない国である.6,000m級のアンデス山脈が,北西から南東に2本連なる.国土の30%が4,000m以上の山岳地帯で,20%が高原地帯,50%が熱帯低地帯である.国の北西部ラパス州は,アンデス山脈の谷間に位置する,空気希薄,寒冷な環境であり,北部ベニ州はアマゾン川の源流のあるジャングル地帯で,暑さの厳しいまさに熱帯である.東部のサンタクルス州では,標高400~500mの農村地帯で,農産業を主体とした農業,熱帯森林の開発,石油,天然ガスの産出も行っている鉱業地帯でもある.しかし,国は貧しい.
 日本との時差は13時間,ロサンゼルス,サンパウロ経由のバリグ・ブラジル航空で首都ラパスまで32時間を要する.降り立ったエル・アルト国際空港は標高4,100m.世界で最も高度にある国際空港で,ここから車で20分ほどで首都ラパスに降りる.ラパスは,標高3,600~3,800m,富士山の頂上とほぼ変わらない.ここに人口70万の大都会がある(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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