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バイオセンサーを用いたカルパイン,カルパスタチンの相互作用解析
著者: 高野恵美子1 牧正敏2
所属機関: 1国立京都病院臨床検査科 2京大ウイルス研究所
ページ範囲:P.721 - P.723
文献購入ページに移動 バイオセンサーを用いて生体物質を測定することは,血糖値測定などで多数実用化されている.さらに微量生理活性物質測定のために,さまざまなタイプの新しいものが開発されている.ファルマシアのBIAcoreTMシステムも最近注目されているバイオセンサーである.測定原理として表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance;SPR)と呼ばれる光学現象を採用しており,分子標識なしで,生体分子間の相互作用をリアルタイムで測定することができる1).抗原一抗体反応,細胞内シグナル系,ホルモン受容体など,蛋白―蛋白間,ペプチド―蛋白間,DNA―蛋白間など多岐にわたる測定が可能である.
前立腺特異抗原PSAは,血清中では,主としてα1アンチキモトリプシンと結合して存在する結合型と,遊離型PSAが存在する.PSAは,前立腺肥大症でも高値になるが,遊離型と結合型の存在比率が,前立腺肥大症と前立腺癌とで異なるという報告があり,PSAの抗体が,遊離型と結合型をどのように認識するか問題となるが,PSA MoABの遊離型と結合型の親和性についてBIAcoreで調べた報告がある.また,CEAの抗体では,取得した多数のMoABが抗原のどの領域を認識しているか,それらの空間的位置関係を調べるのに応用されている.
前立腺特異抗原PSAは,血清中では,主としてα1アンチキモトリプシンと結合して存在する結合型と,遊離型PSAが存在する.PSAは,前立腺肥大症でも高値になるが,遊離型と結合型の存在比率が,前立腺肥大症と前立腺癌とで異なるという報告があり,PSAの抗体が,遊離型と結合型をどのように認識するか問題となるが,PSA MoABの遊離型と結合型の親和性についてBIAcoreで調べた報告がある.また,CEAの抗体では,取得した多数のMoABが抗原のどの領域を認識しているか,それらの空間的位置関係を調べるのに応用されている.
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