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コーヒーブレイク
正月諷詠詩
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学
ページ範囲:P.804 - P.804
文献購入ページに移動 "人よむに如かず正月諷詠詩"とは,正月の俳句は人を詠むのが一番という昭和37年に没した俳人飯田蛇笏(だこつ)の晩年の句である.正月は年賀状などでも改めて人の消息,交流などを懐かしむ時季でもある.
終戦直後の大学生時代にこの蛇笏を神様のようにしていた上級生が3人ほどいて,ときどき彼らの句会の行われる貧しい下宿に誘われて行ったことがある.当時の新潟医大には髙浜虚子の門下でも有数の俳人が3方教授をしていて,俳句は全般に高いレベルにあった.髙野素十(法医),中田瑞穂(脳外科),及川仙石(衛生)で,特に素十さんは虚子の十哲などと呼ばれ法医の講義は助教授まかせで俳句指導に魂を入れていた.私も自宅に参上して文芸部雑誌に掲載するからと"吹っとんで湯の山紅葉顔をうつ"という豪快な句を頂載してきたことがあった.
終戦直後の大学生時代にこの蛇笏を神様のようにしていた上級生が3人ほどいて,ときどき彼らの句会の行われる貧しい下宿に誘われて行ったことがある.当時の新潟医大には髙浜虚子の門下でも有数の俳人が3方教授をしていて,俳句は全般に高いレベルにあった.髙野素十(法医),中田瑞穂(脳外科),及川仙石(衛生)で,特に素十さんは虚子の十哲などと呼ばれ法医の講義は助教授まかせで俳句指導に魂を入れていた.私も自宅に参上して文芸部雑誌に掲載するからと"吹っとんで湯の山紅葉顔をうつ"という豪快な句を頂載してきたことがあった.
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